「恋人はサンタクロース？！」 １２月２５日。 クリスマスの朝、まだ布団の中で夢の中にいたリョーマを起こしたのは１本の電話だった。 片目を開けて、さっきから鳴っている携帯電話を探す。 枕の右側に埋もれている携帯をなんとか見つけ出し、通話のボタンを押した。 「････はい？」 「お、おチビ。やーと起きた！！」 「･･･なんなんスか。こんな朝早くから･･」 向こう側から聞こえてきた恋人にまだ寝起きで頭がボーとしているリョーマはぶっきらぼうに答える。 その声に少し不満そうに溜息をついた菊丸だったが、すぐさまいつもの元気な声に戻ると話を続けた。 「な、な、今日おチビのお家って誰かいる？」 「今日？」 「昨日のおチビの誕生日、一緒にお祝いできなかったから、その･･･」 その先の言葉をなかなか言い出せず口ごもる菊丸が何が言いたいのかはだいたい予想できる。 リョーマは、クスリと笑みを漏らし「６時までなら誰もいないはず」と告げた。 ピンポーン。 電話から１時間後、菊丸はリョーマの家の前にいた。 大きな荷物を両手で大事そうに抱え、少し大きめの茶色いダッフルコート姿がなんとも可愛いらしい。 「なんなんスか？その荷物」 「だーかーら、おチビの誕生日をお祝いするんだろ？」 「それにしては多くないっスか？」 「いいから、いいから。寒いからさっさと中に入れる！」 「･･･うぃっス」 玄関に入るとリョーマに荷物を「ちょっと持ってて」と渡すと菊丸は靴を脱ぎ中に入る。 「おじゃましまーーす」 きちんと靴を揃え終わると、またリョーマの手から荷物を取り上げるとニコっと笑った。 リョーマは、荷物の中が気になったものの菊丸を自分の部屋へと招きいれ、飲み物を取りにキッチンへ降りていった。 「ファンタしかないんスがいいですか？」 飲み物とコップが乗ったトレイを手にリョーマが部屋に戻ってくる。 部屋の真ん中に置かれたテーブルにトレイを置くと、カシャンと勉強机の椅子を引きそこに腰をおろした。 「よし！おチビ！まずは、俺からのクリスマスプレゼントだ！」 「････？」 「はい！これで目、隠してね！」 ガサゴソと荷物から白い細長い布を取り出すとリョーマに差し出す。 「なんで？」 「なんででも！プレゼント欲しかったら言うとおりにするの！」 リョーマは、溜息をつくと素直に差し出された布で自分の目の辺りを隠すようにきつく縛った。 「これでいいっスか？」 「よしよし。絶対みちゃだめだかんね！」 「うぃーっス」 何分くらいたっただろうか。 真っ暗の視界の中でなにやら菊丸が準備している音だけが聞こえてくる。 「センパイ、まだっスか？」 「もうちょい」 待ってるのも退屈になったきた頃、やっと菊丸のお許しの声が出た。 「はい、おチビ。目隠しとってもいいよ」 リョーマはコクンと頷くと、目隠しの結び目を解き、今まで視界を塞いでいた布を取り去った。 そして、目に入ってきた赤と白。 釘付けになり思わず、見入ってしまう。 「おチビ、メリー・クリスマスｖ」 そこには、サンタクロースの衣装に身を包んだ菊丸の姿があった。 菊丸の肌の白さで赤色がよりいっそう際立つ。 「姉ちゃんにもらったんだ。去年、姉ちゃんが友達とのクリスマスパティーに冗談で買ってたんだって」 そしてクルリと回ってみせる。 「だから、ミニスカートなんだけどねｖどう？気に入った？」 そう言い、呆然としているリョーマに近づき顔を覗き込む。 「おチビ？？」 さっきから一言も話さないリョーマに不安になり、菊丸の眉に皺がよった。 「気に入らなかった？」 「いや･･･あまりにも似合ってって･･･」 やっと開いたリョーマの口から出た言葉に菊丸の顔に笑みが戻った。 そして、ちょこんとリョーマの膝の上に腰をおろすと首筋に手を回し、リョーマの鼻先をペロと舐める。 「それから、それから････これは、誕生日プレゼント///」 そう恥ずかしそうに言い、目を閉じ顔を近づけ、リョーマの唇と自分の唇を静かに重ねた。 Merry X'mas and Happy Birthday. An event to happen in Christmas become a happy memory for you･･･ (クリスマスに起こる出来事が、君にとって幸せな思い出になりますように･･･) END キャー!!!(*>∀<)ﾉｼ なななんと、なななんと、リョマのハピバ絵を見てくださった畔柳サマより こんなに素敵なＳＳを頂いてしまいました！！う、嬉しすぎて涎が…！！涎が！ ということで、背景にリョマＢＤ絵を使って、ちゃっかりコラボさせて頂いちゃいました…/// 本当にありがとうございますー！！(*>ω<*)/// 畔柳さつき様の胸キュン素敵小説サイト様はコチラですｖｖ